特集 胆管再建を見直す
胆管再建後の症例に対する肝切除の留意点
三浦 孝之
1
,
大塚 英郎
1
,
水間 正道
1
,
中川 圭
1
,
森川 孝則
1
,
海野 倫明
1
1東北大学大学院消化器外科学
キーワード:
胆管再建
,
肝切除
,
手術部位感染
Keyword:
胆管再建
,
肝切除
,
手術部位感染
pp.349-356
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003200
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胆管再建後の症例に対する肝切除では,過去の手術操作により肝門部や肝十二指腸間膜内に癒着が存在するため,肝外で脈管を個別に剝離し確保することが困難となる。よって転移性肝腫瘍など胆管切除・再建を要しない肝切除では肝門もしくは肝十二指腸間膜を一括でテーピングしPringle法を用いた全肝阻血下の肝切除となることが多い。胆管炎の既往がある症例や前回術後に膵瘻を合併した症例では炎症性癒着がより強固となり難度の高い手術となる。さらに胆管再建後の症例に対する肝切除では術後手術部位感染(surgical site infection;SSI)や肝切離面胆汁漏が発生しやすく1),丁寧な手術操作のみならず慎重な周術期管理を行うことが必要とされる。
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