手術手技
巨大食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡下噴門形成術─安全かつ確実性を目的とした定型化
坪井 一人
1
,
矢野 文章
2
,
星野 真人
2
,
増田 隆洋
2
,
小村 伸朗
3
,
柏木 秀幸
1
1富士市立中央病院
2東京慈恵会医科大学外科学講座
3国立病院機構 西埼玉中央病院
キーワード:
巨大食道裂孔ヘルニア
,
腹腔鏡下噴門形成術
,
定型化
Keyword:
巨大食道裂孔ヘルニア
,
腹腔鏡下噴門形成術
,
定型化
pp.1339-1344
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002897
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現在,食道裂孔ヘルニアに対する標準外科治療として腹腔鏡下噴門形成術(laparoscopic fundoplication;LF)が広く行われている1)。近年,超高齢社会を迎えたわが国では,とくに亀背を認める高齢女性において食道裂孔の開大が顕著となり,胃の1 / 3以上が縦隔内に挙上した巨大食道裂孔ヘルニア(giant hiatal hernia;GHH)を呈する患者が増えている。同病態では,嘔吐を中心とした消化器症状から動悸や息切れなど,多彩な症状を呈することでQOL(quality of life)の低下をきたす。また,これらの症例では胃嵌頓などのリスクもあり,症状を有する場合には積極的な手術治療が望まれる2)。しかしながら,大半の症例では食道が偏位していること,ヘルニア嚢が厚くなることで周囲臓器との境界が不明瞭であること,そして縦隔の比較的高いレベルまでのアプローチを要することなどから内視鏡外科手術の難度は高い。そこでわれわれは,同手術を定型化することでより安全かつ確実な内視鏡外科手術を心掛けており,工夫点を中心に解説する。
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