手術手技
ロボット特有の手技を発揮するためのtwo hands dissectionによる左反回神経周囲郭清
大内田 研宙
1
,
進藤 幸治
1
,
森山 大樹
1
,
中村 雅史
1
1九州大学臨床・腫瘍外科
キーワード:
食道癌手術
,
two hands dissection
,
両手剝離
Keyword:
食道癌手術
,
two hands dissection
,
両手剝離
pp.1329-1337
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002896
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現在までに,食道癌に対する手術は急速に変容してきた。大開胸・大開腹の時代から,胸腔鏡・腹腔鏡を用いた手術へと変貌し,低侵襲化が著しく進んできた。とくに腹臥位による胸腔鏡手術は,気胸とその体位に起因する重力のおかげで自然と虚脱した肺が腹側に位置するので,術中に肺実質を圧迫するなどして術野を展開する必要がなくなり,術後の肺水腫など重篤な肺合併症を経験することがなくなってきている。また,内視鏡外科手術特有の拡大視効果により,微細解剖の認識・共有化も進み,食道癌手術においてとくに注意しなければならない反回神経麻痺の頻度も減少している。一方,通常の胸腔鏡手術は,関節機能がない鉗子を肋間のポートから挿入して操作するためさまざまな動作制限があり,手術操作自体の難度が高い。そのため的確なポート位置の設定と手術手技自体の熟練が必要であった。
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