総特集 鼠径部切開法を見直す
前立腺全摘除術との相互影響から見直す鼠径部ヘルニア修復術─Lichtenstein法習得の意義
中川 基人
1
,
藤崎 洋人
1
,
澤田 康弘
2
,
本郷 久美子
1
,
平田 玲
1
,
高野 公徳
1
1平塚市民病院外科
2平塚市民病院泌尿器科
キーワード:
前立腺癌
,
メッシュ
,
腹腔鏡
Keyword:
前立腺癌
,
メッシュ
,
腹腔鏡
pp.965-973
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002804
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鼠径部ヘルニア修復術は2020年度に13万件以上がNCD(National Clinical Database)に登録され,わが国で最も登録件数の多い外科手術である1)。高齢者人口が増加するなか,鼠径部ヘルニア修復術の件数は増加傾向にあり,さらに手術を受ける患者の約85%が男性という際立った性差が存在する2)。一方,前立腺癌の患者数は高脂肪食といった生活習慣の欧米化,社会の高齢化などと関連して増加中であり,2015年からは日本人男性における悪性疾患の罹患数が胃癌を抜いて第1位となっている3)。前立腺癌は男性のみに発生する悪性腫瘍であり,前立腺全摘除術が重要な治療選択肢の1つになっている4)。このような患者層のオーバーラップのために鼠径部ヘルニア修復術と前立腺全摘除術の両手術を受ける患者は少なからず存在する。
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