手術手技
合併症回避のための食道胃接合部癌に対する気縦隔・腹腔鏡下縦隔郭清と再建の創意工夫
小松 周平
1
,
小西 智規
1
,
松原 大樹
1
,
藤原 斉
2
,
大辻 英吾
2
,
塩飽 保博
1
1京都第一赤十字病院・消化器外科
2京都府立医科大学・消化器外科
キーワード:
食道胃接合部癌
,
縦隔鏡手術
,
下縦隔郭清
Keyword:
食道胃接合部癌
,
縦隔鏡手術
,
下縦隔郭清
pp.1699-1707
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002461
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近年のわが国の多施設共同前向き観察研究で,食道胃接合部癌のリンパ節転頻度が明らかになり,郭清範囲の概要が示された1)。概要として,食道浸潤2 cmまでは下縦隔郭清は必須ではなく噴門側胃切除と同様の郭清範囲,2~4 cmまではNo.110を中心とした下縦隔郭清,4 cm以上では下縦隔に加えて中上縦隔郭清の必要性が示された。また,これまで進行食道胃接合部癌の組織型が扁平上皮癌であった場合は,通常の食道扁平上皮癌と同様に上縦隔リンパ節まで転移する可能性があり,左右反回神経に沿った上縦隔郭清まで行われることが一般的であったが,本臨床試験では腺癌でも高頻度に上中縦隔への転移を認めたことから,組織型を問わず上中縦隔の郭清が必要である可能性が示唆された。今後,長期予後が明らかになり,郭清効果の再評価による至適郭清範囲の最終的な決定が待たれる。
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