手術症例報告
術中ナビゲーションシステムを用いて高位仙骨部分切除でR0切除し得た直腸癌術後局所再発の1例
佐野 修平
1
,
福長 洋介
1
,
阿江 啓介
2
,
船内 雄生
2
1がん研有明病院大腸外科
2がん研有明病院整形外科
キーワード:
直腸癌
,
仙骨浸潤
,
ナビゲーションシステム
Keyword:
直腸癌
,
仙骨浸潤
,
ナビゲーションシステム
pp.1605-1610
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002425
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下部直腸癌術後の局所再発率は術前化学放射線療法により低下してきているが,それでも5%を超える率での報告が多い。大腸癌治療ガイドラインでは局所再発に対してはR0切除が可能と判断した場合に手術を考慮するとされているが,その再発部位や周囲臓器・脈管・骨への浸潤度によってはR0切除が困難である場合も多い。とくに直腸癌術後の仙骨前面への浸潤を伴う局所再発に対する外科的切除の予後は,20~50%の5年生存率といわれている1)。S3以下の低位仙骨への浸潤であれば,仙骨合併切除によって排便・排尿機能の温存は難しいものの,歩行機能を温存した根治切除の可能性が高く,切除適応とされる場合が多い。一方で,S2以上の高位仙骨への浸潤を伴うものは侵襲度や機能障害の観点から,多くの場合切除不能と判断され,放射線治療や化学療法が選択される。
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