特集 解剖学的変異を考慮した下部消化管手術
PDM症例に対する大腸癌手術
角田 龍太
1
,
岩田 乃理子
1
,
増田 大機
1
,
山内 慎一
1
,
松山 貴俊
1
,
絹笠 祐介
1
1東京医科歯科大学大腸・肛門外科
キーワード:
大腸癌
,
PDM
,
腸回転異常
Keyword:
大腸癌
,
PDM
,
腸回転異常
pp.1303-1309
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002338
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腸回転異常症は,典型的には新生児期に消化器症状を呈し診断される疾患であるが,無症状のまま経過し,大腸癌の術前精査にて偶発的に指摘されることがある。PDM(persistent descending mesocolon)は,発生過程において左側結腸間膜が壁側腹膜と癒合せず,下行結腸~S状結腸が右側に変位した固定異常である。変位したS状結腸の癒着や短縮した左側結腸間膜の血管走行異常など,解剖学的破格を伴うことがあり,大腸癌手術においては術野の確保や血管処理に注意を要する。とくに術野の制限のある低侵襲手術では,術前の診断と準備がより重要であり,腸回転異常症に関する解剖学的知識は必要不可欠となっている。
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