特集 解剖学的変異を考慮した下部消化管手術
直腸癌手術で注意すべき中直腸動脈の変異
岩佐 陽介
1
,
小山 文一
1
,
久下 博之
1
,
中本 貴透
1
,
尾原 伸作
1
,
庄 雅之
1
1奈良県立医科大学消化器・総合外科学教室
キーワード:
直腸癌
,
中直腸動脈
,
側方リンパ節転移
Keyword:
直腸癌
,
中直腸動脈
,
側方リンパ節転移
pp.1275-1280
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002334
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下部直腸癌におけるリンパ節の転移経路として,下腸間膜動脈に沿った上方向への経路と,内腸骨動脈の分枝,いわゆる中直腸動脈に沿った側方方向への経路があると言われている。しかし,中直腸動脈は変異に富み,その存在頻度,走行など解剖学的にも一定の見解を得られていない。下部直腸癌治療において側方郭清を行うわが国において,側方リンパ節は腫瘍学的にも重要な存在であるにもかかわらず,側方リンパ流の詳細な検討は少ない。内腸骨動脈の変異などに関しては他稿に譲り,本稿では,造影MRIにおける中直腸動脈の画像所見を中心に,中直腸動脈と側方リンパ節との関連性について述べる。
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