Japanese
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特集 直腸癌に対する肛門機能温存手術の実際
直腸癌に対する直腸鏡下外科手術
Rectoscopic surgery in the treatment of rectal carcinoma
金平 永二
1
,
大村 健二
1
,
疋島 一徳
2
,
森下 実
1
,
宇野 雄祐
1
,
渡辺 洋宇
1
Eiji KANEHIRA
1
1金沢大学医学部第1外科
2南ヶ丘病院外科
キーワード:
直腸癌
,
内視鏡下外科手術
Keyword:
直腸癌
,
内視鏡下外科手術
pp.975-981
発行日 1996年8月20日
Published Date 1996/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902363
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経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)による直腸癌24例の手術成績を報告する.対象は[m]10例,[sm1]6例,[sm2]1例,[sm3]1例,[mp]6例であった.腫瘍最大径は1.0〜8.5cm,平均3.05cmであった.手術時間は30〜180分,平均80.75分,術中合併症は腹腔内穿孔が1例であった.4例に追加根治術を施行した.内訳は[sm1ly1]1例,[sm2]1例,[mp]2例であった.ほとんどの患者は疼痛を訴えず,術後第1病日より歩行可能であった.重篤な術後合併症は経験していない.経過観察期間は最長3.1年,平均1.2年であった.[mp]1例が90歳時に他病死した。他の症例は姑息例を含め全例再発なく,良好なQuality of lifeを享受している.
TEMは安全かつ低侵襲で,優れた機能温存性を有する.直腸癌の治療体系に有用な選択肢として位置づけられるものと考える.
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