手術手技
膵癌に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術─腹腔鏡下RAMPS導入の工夫と注意点
前田 栄
1
,
中平 伸
1
,
北川 彰洋
1
,
宮本 敦史
1
,
大里 浩樹
1
1堺市立総合医療センター肝胆膵外科
キーワード:
膵癌
,
腹腔鏡下膵体尾部切除
,
RAMPS
Keyword:
膵癌
,
腹腔鏡下膵体尾部切除
,
RAMPS
pp.1017-1023
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002252
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膵癌は浸潤傾向の強い悪性度が高い難治性癌の1つであり,術後再発率は高く,切除後の5年生存率は10~25%と報告されている1)。外科切除前後の化学療法による治療成績の改善が報告されつつある2,3)一方で,根治を目指すうえで,癌遺残のない外科切除が絶対条件であることに変わりはない。膵癌などの悪性度の高い疾患を対象としたリンパ節郭清を伴う腹腔鏡下膵体尾部切除術は,2016年に保険収載され徐々に普及しているが,開腹手術に劣らない根治性を担保するためには,腹腔鏡手術の欠点を克服し,その特徴を活かしたアプローチの工夫が必要である。当院では開腹手術で提唱されたRAMPS(radical antegrade modular pancreatosplenectomy)4)を,腹腔鏡手術にも取り入れており,本稿ではその手術手技について述べる。
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