手術手技
微細膜解剖に基づいた胸部食道癌における左上縦隔郭清の工夫─左反回神経と内臓鞘および血管鞘との解剖構造
宮脇 豊
1
,
佐藤 弘
1
,
李 世翼
1
,
椙田 浩文
1
,
桜本 信一
1
1埼玉医科大学国際医療センター消化器外科
キーワード:
反回神経
,
内臓鞘
,
血管鞘
Keyword:
反回神経
,
内臓鞘
,
血管鞘
pp.1011-1015
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002251
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近年,胸部食道癌手術に対する内視鏡外科手術が急速に普及してきている。内視鏡外科手術のメリットの1つである拡大視効果を用いることで,精緻な手術操作を追求することが可能となった。また,従来の外科解剖に加えて,内臓鞘および血管鞘に代表される微細膜構造への理解が深まってきている。一方で,胸部食道癌において上縦隔リンパ節は代表的な転移好発部位であり,腫瘍学的見地から徹底的な郭清が望ましいものの,郭清操作に伴った反回神経麻痺は依然として大きな臨床的な課題である。内視鏡外科手術での微細膜構造を背景とした外科解剖を理解することが,上縦隔郭清における腫瘍学的に過不足のない郭清を行いつつ,合併症低減を図るためにはきわめて重要である。われわれの微細外科解剖に基づいた左上縦隔郭清の手技について概説する。
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