特集 膵臓外科の基本手術2021─修練医がマスターすべき術式とは
膵体尾部癌に対する腹腔鏡下膵体尾部切除のポイント─腹腔鏡下posterior RAMPS法
林 洋光
1
,
中川 茂樹
1
,
馬場 秀夫
1
1熊本大学病院消化器外科
キーワード:
膵体尾部癌
,
腹腔鏡下膵切除
,
RAMPS
Keyword:
膵体尾部癌
,
腹腔鏡下膵切除
,
RAMPS
pp.1429-1438
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002378
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膵体尾部に発生した膵癌を含む悪性腫瘍性病変においては,領域リンパ節(lymph node;LN)郭清を伴う膵体尾部切除が標準術式である。以前は,膵尾部・脾臓脱転を膵切離に先行して行う従来法にて行われていたが,2003年にStrasbergら1)がRAMPS(radical antergrade modular pancreatosplenectomy)法を報告して以来,RAMPS法で膵体尾部切除を行う機会が増えている。Strasbergらが提唱したRAMPS法は,膵切離と脾動静脈処理を先行し,膵体部から膵尾部へと膵臓を背側より授動し,脾臓を合併切除することで,確実な所属LN郭清(とくにceliac nodes)と膵背側の十分なマージン確保を目的とする。その後,2012年には,膵体尾部癌に対するその安全性と低い切除断端陽性率,さらには良好な長期予後が得られることが報告され2),①膵切離先行による右側から左側へのN1 LN(celiac nodesまで)の郭清,②posterior marginの確保,③早期の血行遮断(脾動静脈)を手技の特徴としている。
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