特集 大腸外科手術におけるトラブルシューティング
Ⅲ.消化管縫合・吻合 5)体腔内吻合の工夫と定型化への取り組み
鶴田 雅士
1
,
岡林 剛史
2
,
茂田 浩平
2
,
清島 亮
2
,
牧野 昭嗣
2
,
北川 雄光
2
1慶應義塾大学一般・消化器外科/国際医療福祉大学消化器外科
2慶應義塾大学一般・消化器外科
キーワード:
体腔内吻合
,
縫合不全
,
stay suture technique
Keyword:
体腔内吻合
,
縫合不全
,
stay suture technique
pp.1211-1217
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001789
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結腸癌に対する腹腔鏡手術は,わが国で行われたJCOG0404の結果が示す良好な治療成績からも,もはや標準治療としての市民権を得るに至ったと思われる1)。腹壁破壊の軽減および整容面の向上は,腹腔鏡手術の利点として最たるものであるが,巨大腫瘍や高度肥満症例においては,腫瘍の摘出や再建の際に創の延長が必要となり,その恩恵は限定的となる。欧米ではとくに患者要因から切除吻合といった再建も腹腔鏡下に行う体腔内吻合が多く行われているが,わが国では技術的な複雑さや懐疑的な有用性から,まだまだ一般的とはいえない。しかし,ロボット支援手術という技術革新が手技的ハードルを下げ,さらにロボット支援手術による体腔内吻合が安全で有用であることが海外の多くの報告で明らかにされ,わが国でも改めて体腔内吻合が見直されつつある2)。
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