手術手技
胸部食道癌手術における迷走神経牽引法(vagus traction method)を用いた気管分岐下リンパ節郭清
谷山 裕亮
1
,
岡本 宏史
1
,
佐藤 千晃
1
,
高屋 快
1
,
福富 俊明
1
,
亀井 尚
1
1東北大学総合外科
キーワード:
食道切除
,
気管分岐下リンパ節
,
vagus traction method
Keyword:
食道切除
,
気管分岐下リンパ節
,
vagus traction method
pp.1059-1064
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001754
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胸部食道癌において気管分岐下リンパ節は,No.107および109R / Lとして,上部~下部胸部食道癌のいずれにおいても2群リンパ節として定義されている1)。よってD2郭清を行う標準的胸部食道癌根治術の際は,常に郭清対象となるリンパ節である。しかし,右胸腔アプローチによる胸腔鏡手術において気管分岐下リンパ節は,固定臓器である気管支に囲まれていることから展開が難しく,また気管支動脈の分枝やリンパ節そのものからの出血により視野の確保が困難となることがある。開胸を要するほどの出血ではないものの,狭い術野のなかでの出血は止血に時間も要する。
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