特集 膵頭十二指腸切除に必要な外科解剖と手術手技
局所進行膵癌に対する肝動脈合併切除を伴う膵頭十二指腸切除
高野 重紹
1
,
吉富 秀幸
1
,
古川 勝規
1
,
高屋敷 吏
1
,
久保木 知
1
,
大塚 将之
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
キーワード:
膵頭十二指腸切除
,
総肝動脈合併切除
,
動脈再建・非再建
Keyword:
膵頭十二指腸切除
,
総肝動脈合併切除
,
動脈再建・非再建
pp.1023-1027
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001749
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膵頭部(膵鉤部)から膵頸部にかけて位置する膵癌は,癌細胞の高い浸潤能やその解剖学的位置関係から隣接する総肝動脈(common hepatic artery;CHA)や上腸間膜動脈(superior mesenteric artery;SMA)周囲神経叢へ容易に浸潤する1)。さらに浸潤傾向の強い腫瘍やbulkyな発育形態を呈する膵癌では,神経叢を越え動脈壁への直接浸潤を認める。これらは切除可能境界(borderline resectable;BR)あるいは切除不能(unresectable;UR)とされる膵癌のなかでもBR-A(with artery involvement)やUR-LA(locally advanced)として分類され,化学(放射線)療法先行の治療が広く行われており,腫瘍縮小効果および腫瘍マーカーの低下を元に手術に治療方針を変換する,いわゆるconversion surgeryが行われている2,3)。
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