特集 内視鏡外科手術に必要な局所解剖─食道・胃
腹腔鏡下胃全摘術に必要な脾門部周囲の局所解剖
吉田 弥正
1
,
木下 敬弘
1
,
海藤 章郎
1
,
佐藤 怜央
1
,
登内 晶子
1
,
秋本 瑛吾
1
1国立がん研究センター東病院胃外科
キーワード:
腹腔鏡下胃全摘
,
上部進行胃癌
,
脾温存脾門郭清
Keyword:
腹腔鏡下胃全摘
,
上部進行胃癌
,
脾温存脾門郭清
pp.881-887
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001716
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第Ⅲ相臨床試験であるJCOG0110の結果,大彎に浸潤しない上部進行胃癌において,それまで標準治療とされていた胃全摘+脾摘に対する脾温存胃全摘の非劣性が示された1)。現在,このような対象に対しては,脾温存かつ脾門郭清も基本的に必要ないということでコンセンサスが得られている。一方,JCOG0110の対象外であった大彎に浸潤する上部進行胃癌では,約15%の割合で脾門リンパ節転移が認められることが知られている。しかし,脾摘および脾門郭清の必要性に関する明確なエビデンスはなく,今後明らかにされるべき課題として残されている。
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