特集 内視鏡外科手術に必要な局所解剖─食道・胃
腹腔鏡下食道胃接合部癌手術に必要な食道胃接合部周囲の局所解剖
古川 健一朗
1
,
池亀 昂
1
,
磯部 雄二郎
1
,
寺島 雅典
1
1静岡県立静岡がんセンター胃外科
キーワード:
食道胃接合部癌
,
腹腔鏡手術
,
経裂孔
Keyword:
食道胃接合部癌
,
腹腔鏡手術
,
経裂孔
pp.873-879
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001715
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食道胃接合部癌に対する手術アプローチとして,胃癌治療ガイドラインではJCOG9502試験1)の結果に基づき,食道浸潤が3 cm以内の場合には非開胸経裂孔アプローチが推奨されている。最近報告された日本胃癌学会・日本食道学会の共同研究の結果からは,食道浸潤長4 cmまでは上・中縦隔リンパ節郭清が不要とされている2)ので,可能であれば経裂孔アプローチが推奨されるものと思われる。同研究では下縦隔郭清の範囲に関しては,No.110のみが推奨されている。経裂孔的な手術操作に関しては,開腹手術よりも拡大視効果が得られる内視鏡外科手術に利点があるものと考えられる。本稿では,食道胃接合部癌に対する内視鏡外科手術の際に必要な局所解剖を解説する。
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