特集 内視鏡外科手術に必要な局所解剖─食道・胃
胸腔鏡下食道切除術に必要な右反回神経周囲の局所解剖
松田 諭
1
,
眞柳 修平
1
,
入野 誠之
1
,
川久保 博文
1
,
北川 雄光
1
1慶應義塾大学医学部外科学(一般・消化器)
キーワード:
食道癌
,
胸腔鏡下食道切除術
,
右反回神経
Keyword:
食道癌
,
胸腔鏡下食道切除術
,
右反回神経
pp.849-852
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001711
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胸部食道癌は,早期から広範なリンパ節転移をきたす疾患であるが,とくに両側反回神経周囲リンパ節転移はいずれの占居部位においても一定以上の頻度で存在し,その郭清は手術の根治性確保のために重要である。とくに胸腔鏡下食道切除術においては,拡大視効果と多様な角度からの視野展開によって,頸胸境界部から一部頸部に至るまでの反回神経周囲リンパ節郭清が可能である。一方で縦隔内には気道,心血管と生命維持に重要な臓器があること,反回神経,迷走神経,胸管といった術後の生体機能に大きく影響を及ぼし得る器官があることから,それらに十分留意した手技が求められる。両者の実現のためには,正確な解剖の理解に基づく手術手技が必須である。
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