手術手技
Colon lifting techniqueを用いた直腸癌に対するreduced port surgery
藤井 正一
1
,
有村 隆明
1
,
出口 貴司
1
,
金澤 真作
1
,
堤 謙二
1
,
内山 周也
1
1駿甲会甲賀病院外科
キーワード:
colon lifting technique
,
直腸癌
,
reduced port surgery
Keyword:
colon lifting technique
,
直腸癌
,
reduced port surgery
pp.221-228
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001543
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近年の直腸癌に対する腹腔鏡手術はTaTME(transanal total mesorectal excision),ロボット支援手術など,アクセスポート数や人員数,スコープ数を増やしてより高い根治性を求める傾向にある。一方,単孔式を含むRPS(reduced port surgery)は,腹壁破壊の少なさから低侵襲性の高い術式として,わが国では2010年前後から急速に普及した。しかし,日本内視鏡外科学会による全国アンケート調査によると,単孔式手術数は2014年に全領域でピークを迎え,以後,横ばいないしは減少傾向を示しており,大腸切除術も減少している1)。これには「通常の多孔式に比べて明らかな利点がない」「日本内視鏡外科学会の技術認定制度に提出する手術として相応しくない」などのさまざまな理由が考えられるが,少ないアクセスポートのために安全な視野展開が困難であることが最大の原因と思われる。とくに直腸癌に対しては難度が高い部位であるため,RPSは普及しにくく,安全性を担保するには視野展開の何らかの工夫が必要となる。
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