特集 いまだからこそ見直される乳房温存手術
究極の乳房温存手術としての非切除療法の実際
木下 貴之
1
1国立病院機構東京医療センター乳腺科
キーワード:
早期乳癌
,
ラジオ波熱焼灼療法
,
非切除療法
Keyword:
早期乳癌
,
ラジオ波熱焼灼療法
,
非切除療法
pp.1687-1695
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001448
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マンモグラフィ検診の普及や画像診断法・針生検の進歩により,早期乳癌の発見機会が増加してきている。乳癌外科治療では乳房温存療法やセンチネルリンパ節生検に代表される手術の低侵襲化ばかりでなく,高い整容性とQOLへの配慮も要求されるようになってきた。早期乳癌の乳房温存療法はわが国では1980年代から導入され,その後の長期成績から標準治療としての地位を確立している。最近では,究極の乳房温存療法としてのnon-surgical ablation therapyが期待されている。国内では,高密度焦点式超音波治療法(high intensity focused ultrasound;HIFU)の国際臨床試験が2004年,凍結療法の臨床試験が2006年より開始されている。ラジオ波熱焼灼療法(radio frequency ablation therapy;RFA)は,2006年より臨床使用確認試験および高度医療評価制度下に早期乳癌に対するPhaseⅠおよびⅡの多施設共同臨床試験を,2013年度より先進医療BにてPhaseⅢ試験を開始し,この試験の結果で早期乳癌RFAの保険収載を目指している。RFAをはじめ早期乳癌に対する非切除療法は,わが国が主導して臨床開発が行われている。
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