特集 食道癌手術の最前線─合併症ゼロを目指した私の秘訣
腹臥位アプローチによる胸腔鏡下食道癌根治術─上縦隔郭清手技を中心に
押切 太郎
1
,
瀧口 豪介
1
,
三浦 晋
1
,
中村 哲
1
,
掛地 吉弘
1
1神戸大学大学院医学研究科外科学講座食道胃腸外科学分野
キーワード:
腹臥位
,
上縦隔郭清
,
反回神経
Keyword:
腹臥位
,
上縦隔郭清
,
反回神経
pp.837-848
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001213
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わが国における食道癌に対するMIE(minimally invasive esophagectomy)の導入はこの10年で進み,NCD(National Clinical Database)登録データによれば,現在,わが国では全体の約半数の食道癌症例に対してMIEが行われ,今後その傾向はさらに顕著になると考えられる1)。しかし,現時点では低侵襲性においてMIEが開胸手術を大きく凌駕することを示すevidenceに乏しく2),成績の安定には一定のlearning curve期間も要する3)。一方,肺炎をはじめとする術後合併症が腫瘍学的な予後因子となることが報告されており4),MIEの低侵襲性の担保にはより効率的に手技を定型化し,反回神経麻痺の回避をはじめとする呼吸器合併症riskの低減が求められる。
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