特集 消化管粘膜下腫瘍(SMT)の診療
10. 消化管粘膜下腫瘍に対する外科手術(内視鏡外科手術,開腹開胸手術)
橋本 佳和
1
,
阿部 展次
1
,
高木 泰介
1
,
大木 亜津子
1
,
竹内 弘久
1
,
長尾 玄
1
1杏林大学医学部外科
キーワード:
消化管粘膜下腫瘍
,
外科的切除
,
内視鏡外科手術
Keyword:
消化管粘膜下腫瘍
,
外科的切除
,
内視鏡外科手術
pp.1521-1531
発行日 2018年10月20日
Published Date 2018/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000563
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消化管粘膜下腫瘍(submucosal tumor;SMT)を食道,胃,十二指腸,小腸,大腸に分け,各臓器の特性を加味した治療戦略を概説した.治療適応は悪性例や有症状例であるが,概ね2~3 cmを超える腫瘍は外科的切除の対象になる場合が多い.リンパ節郭清を必要としないSMTが多く,各臓器の機能をできるだけ温存した術式選択が望ましい.食道SMTの内視鏡的切除と外科的切除の境界は内輪筋レベルが妥当と考えられる.胃SMTはその主座により,胃内アプローチと胃外アプローチ,そして双方を融合した腹腔鏡・内視鏡合同手術(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery;LECS)の三つに大別できる.十二指腸SMTは腫瘍が乳頭部上またはきわめて近接している場合を除けば膵頭十二指腸切除術を回避した各種縮小手術が適応できる可能性が高い.小腸・大腸は可及的に腸管部分切除を選択するが,近年ではより低侵襲手術である腹腔鏡下手術が主要である.
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