特集 Acute Care Surgery
Traumatic Surgery 小児外傷の実際 当院の治療戦略と成績
野村 明芳
1
,
福本 弘二
,
矢本 真也
,
三宅 啓
,
金井 理紗
,
根本 悠里
,
津久井 崇文
,
漆原 直人
1静岡県立こども病院 小児外科
キーワード:
蘇生
,
腹部外傷
,
小児ICU
,
後向き研究
,
治療成績
,
緊急手術
,
小児外科
Keyword:
Intensive Care Units, Pediatric
,
Abdominal Injuries
,
Resuscitation
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
pp.1136-1139
発行日 2021年11月25日
Published Date 2021/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2022067385
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小児外科医が主に関与する腹部外傷に対する、当院小児集中治療室(PICU)開設以降の治療戦略と成績を報告した。2007年6月~2021年6月の間に当院PICUへ搬送された外傷患者695例のうち、腹部外傷を呈した患者95例を対象とした。受傷機転は交通事故51例、転倒・転落34例、虐待4例、刺創2例、自殺企図1例、スポーツ外傷1例、分娩外傷1例であった。治療全体では保存的治療69例、動脈塞栓術3例、手術24例であった。ダメージコントロールサージェリーは3例に施行した。転帰は生存退院92例、死亡3例であった。保存的治療群のprobability of survival(Ps)は99.1%、外科的治療群のPsは97.3%で、Ps 50%以上の症例はすべて生存退院であった。また、外傷を契機とした精神的後遺症は3例にみられた。不安、外出困難、登校拒否などの心的外傷後ストレス障害が疑われ、現在も外来受診を継続している。
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