合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅱ 胃 3 膵脾合併切除を伴う腹腔鏡下胃全摘術
與田 幸恵
1
,
能城 浩和
1
,
岩﨑 寛智
1
1佐賀大学一般・消化器外科
キーワード:
胃癌
,
腹腔鏡下胃全摘術
,
膵脾合併切除
Keyword:
胃癌
,
腹腔鏡下胃全摘術
,
膵脾合併切除
pp.403-410
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000629
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胃癌に対する腹腔鏡手術は実臨床では適応が次第に拡大され,幽門側胃切除術から噴門側胃切除術や胃全摘術にも応用され,さらには脾や膵脾合併切除術までが一部の施設で施行されている。この普及は術式の確立と早くから保険収載されたこと以外にも,患者の関心とその他周辺機器の開発が急速に進んだことによるとも思われる。しかし,その一方で,早期胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術の安全性と有益性についてはさまざまなエビデンスが提示され,胃癌治療ガイドライン第4版から標準的治療の選択肢の1 つになったが,進行癌や胃上部癌に対する腹腔鏡手術についてはまだ臨床試験が進行中であり,一定の見解は得られていないのが現状である。なかでも腹腔鏡下胃全摘術においては膵体尾部および脾門周囲の郭清と再建術式の確立が大きな問題であり,他の術式より膵液瘻と縫合不全発生率が高いことも示されている1)。
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