合併症ゼロを目指した最新の低侵襲内視鏡外科手術
Ⅰ 食道 4 食道アカラシアに対する腹腔鏡下Heller and Dor 手術
小熊 潤也
1
,
小澤 壯治
1
,
数野 暁人
1
,
山本 美穂
1
,
二宮 大和
1
,
谷田部 健太郎
1
1東海大学消化器外科
キーワード:
食道アカラシア
,
腹腔鏡下Heller and Dor 手術
Keyword:
食道アカラシア
,
腹腔鏡下Heller and Dor 手術
pp.369-374
発行日 2018年3月31日
Published Date 2018/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000625
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食道アカラシアに対する治療法は,従来から行われているバルーン拡張術(pneumatic dilation;PD)や腹腔鏡下Heller 筋層切開術(laparoscopicHeller myotomy;LHM)に加えて,近年新たに内視鏡的食道筋層切開術(per-oralendoscopic myotomy;POEM)が開発され,その有効性が報告されるようになった1)。さらに新たな食道運動機能の評価方法として,高解像度食道内圧検査(high-resolution manometry;HRM)が普及し,食道全長にわたる連続的な運動機能の評価が可能となり,食道アカラシアにおいても,嚥下時の食道体部蠕動障害のパターンから3 つのサブタイプに分類されるようになった2,3)。図13)のType Ⅰが,正常な下部食道括約筋(lower esophageal sphincter;LES)の弛緩がみられず,一次蠕動波の消失が明らかな古典的アカラシアであり,Type ⅡはType Ⅰの特徴に加え食道圧迫を伴うもの,Type ⅢはType Ⅰの特徴に加え未熟収縮を伴うもの,とされている。
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