特集 きいてみた! 皮膚科×各科 診療のリアル―“いまさら聞けない” を解消するQ&A―
ウイルス感染症
帯状疱疹
ペインクリニック科医師への質問
中川 雅之
1
Masayuki NAKAGAWA
1
1NTT東日本関東病院,ペインクリニック科
pp.923-923
発行日 2026年6月10日
Published Date 2026/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005887
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帯状疱疹は発症からの時間経過により痛みの性質が変化するため受診した時期により治療目標が変わる。帯状疱疹の後遺症による痛みのことを帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia;PHN)とよぶが,PHNという言葉の使い方は診療科により異なり,ペインクリニック科以外の科では「皮疹治癒後も遷延する痛み」をPHNとよぶことが多いようだが,痛みの治療を行うペインクリニック科では,治癒する可能性のない痛みをPHNとよび,治癒する可能性のある痛みを帯状疱疹関連痛(zoster-associated pain;ZAP)とよんでいる。一般的には帯状疱疹発症後3カ月~6カ月の間にPHNに移行すると考えられているため,発症後6カ月を経過して残存した痛みをPHNとよぶことが多い。ZAPに対する治療目標は ① 痛みを早く収束させること,② PHNに移行させないこと,③ PHNに移行したとしてもなるべく弱い痛みにすることであるが,② のPHNに移行させないことをもっとも重要な治療目標としている。一方,PHNの治療目標は,主に薬物療法で痛みをコントロールすることになってしまう。PHNの危険因子として,高齢,重症な皮疹,皮疹発現時の強い痛み,前駆痛の存在,免疫抑制状態,慢性疾患の併存などが報告されているため,これらの症例には特に早期の痛みの治療が勧められる。PHNを残さないためには,痛みの治療を可能な限り早く,少なくとも発症後6カ月以内,できれば3カ月以内に始めることが勧められるので,痛みで困っている患者さんを診たら,早めにペインクリニック科に紹介していただくのがよいと考える。
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