Japanese
English
症例報告
Cronkhite-Canada症候群の1例
A case of Cronkhite-Canada syndrome
岡田 絵美子
1
,
田中 京子
2
,
稲積 豊子
1
,
松川 英彦
3
,
大山 学
4
,
辻口 喜明
5
Emiko OKADA
1
,
Kyoko TANAKA
2
,
Toyoko INAZUMI
1
,
Hidehiko MATSUKAWA
3
,
Manabu OHYAMA
4
,
Yoshiaki TSUJIGUCHI
5
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
2川崎市立病院皮膚科
3国家公務員共済組合連合会立川病院消化器内科
4慶應義塾大学医学部皮膚科
5つじぐち皮膚科クリニック
1Division of Dermatology,Kyosai Tachikawa Hospital,Tachikawa,Japan
2Division of Dermatology,Kawasaki Municipal Hospital,Kawasaki,Kanagawa,Japan
3Division of Gastroenterology,Kyosai Tachikawa Hospital,Tachikawa,Japan
4Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
5Tsujiguchi Dermatology Clinic,Higashiyamato,Japan
キーワード:
Cronkhite-Canada症候群
,
休止期脱毛
,
皮膚色素沈着
,
爪甲異常
,
消化管ポリポーシス
,
好酸球増多
Keyword:
Cronkhite-Canada症候群
,
休止期脱毛
,
皮膚色素沈着
,
爪甲異常
,
消化管ポリポーシス
,
好酸球増多
pp.503-507
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103332
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要約 51歳,女性.初診1か月前より指尖部の色素沈着,味覚の低下を自覚した.間もなく頭髪や体毛が脱落しはじめ,その後手掌にも色素沈着が生じたため,精査目的で受診した.初診時,全身のびまん性脱毛と手掌・指尖部の色素沈着,爪甲先端の白濁を認めた.4週後,頭髪は疎となり約8週後には爪甲は全て脱落した.内視鏡検査で胃からS状結腸にかけて消化管ポリポーシスを認め,病理組織学的には好酸球主体の炎症性ポリープの所見であった.蛋白漏出シンチグラフィーでは上行~横行結腸にRIの貯留がみられた.非遺伝性で,以上の所見よりCronkhite-Canada症候群と診断した.便潜血と低アルブミン血症が持続していたため,消化管ポリポーシスに対しプレドニゾロン30mgを内服したところポリープ数が減少し低アルブミン血症が改善した.皮膚症状も軽快したが,プレドニゾロン中止後,好酸球増多と手の色素沈着が再燃した.本症の病態には好酸球を主体とした消化管の持続的な炎症に伴う吸収,栄養障害が関与していることが示唆された.
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