Japanese
English
症例
刺咬瘢痕部皮膚のPCRで日本紅斑熱と診断した1例
Japanese spotted fever diagnosed by PCR of skin at the site of a sting bite scar
辻 慶明
1
,
吉田 康幸
1
,
長谷川 義典
1
Yukihiro TSUJI
1
,
Yasuyuki YOSHIDA
1
,
Yoshinori HASEGAWA
1
1福井県済生会病院,皮膚科(主任:長谷川義典主任部長)
キーワード:
刺咬瘢痕部皮膚
,
PCR
,
日本紅斑熱
,
ツツガムシ病
Keyword:
刺咬瘢痕部皮膚
,
PCR
,
日本紅斑熱
,
ツツガムシ病
pp.364-366
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005044
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70歳台,女性。2023年7月下旬に体幹四肢の紅斑を自覚し,翌日より39℃台の発熱があり,当院救急外来を受診した。腹部CTで胆囊炎と診断され外科にて胆囊摘出術を施行した。しかし,術後も発熱と紅斑が持続するため当科を紹介受診した。左下腿後面に痂皮があり,ツツガムシ病と考えミノサイクリンの内服を開始した。以後,症状は軽快傾向となった。ツツガムシ抗体価上昇はなかったため,痂皮は脱落していたが刺咬瘢痕部皮膚よりPCRを行い日本紅斑熱と診断し得た。PCR検出率がもっとも高いのは刺咬部痂皮であるため,痂皮の有無を診察し,あれば保存しておくことが望ましい。診断確定までに時間を要するので,重症化を防ぐために確定診断前の早期治療開始が重要である。

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