Japanese
English
症例
エトレチナート投与後に退縮傾向を示した鼻翼部ケラトアカントーマの1例
Keratoacanthoma of the nasal wing showing a tendency to regress after etretinate administration
佐伯 優佳
1
,
外川 八英
1
,
並川 健二郎
2
,
猪爪 隆史
1
Yuka SAEKI
1
,
Yaei TOGAWA
1
,
Takashi INOZUME
2
,
Kenjiro NAMIKAWA
1
1千葉大学大学院医学研究院,皮膚科学(主任:猪爪隆史教授)
2国立がん研究センター中央病院,皮膚腫瘍科
キーワード:
ケラトアカントーマ
,
エトレチナート
Keyword:
ケラトアカントーマ
,
エトレチナート
pp.97-100
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004959
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56歳,女性。1カ月前より左鼻翼に中央に角化を伴う半球状の紅色結節が出現し増大した。初診時周囲に浸潤性の紅暈を伴う径12×10mm大のドーム状結節がみられた。生検では明らかな異型細胞を認めなかったが,生検後もさらに増大は続いたため,有棘細胞癌を除外できなかった。鼻翼を含む広範切除も考慮したが,エトレチナート投与により腫瘍は速やかに縮小に転じ,瘢痕を残して消退した。内服終了後2年の経過で再発はない。ケラトアカントーマに対する経口レチノイド治療は,切除不能例や切除によりQOL(生活の質)が著しく阻害される症例において,有用な治療選択肢となりうると考えた。
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