Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
豊富なムチンを伴う有棘細胞癌の1例
Squamous cell carcinoma with abundant mucin deposit
南 有紀
1
,
西村 友紀
1
,
小川 浩平
1
,
宮川 史
1
,
新熊 悟
1
,
浅田 秀夫
1
,
原田 雅幸
2
,
桑原 理充
2
Yuki MINAMI
1
,
Yuki NISHIMURA
1
,
Kohei OGAWA
1
,
Fumi MIYAGAWA
1
,
Satoru SHINKUMA
1
,
Hideo ASADA,
1
,
Masayuki HARADA
2
,
Masamitsu KUWAHARA
2
1奈良県立医科大学,皮膚科学教室(主任:浅田秀夫教授)
2同,形成外科
キーワード:
ムチン
,
有棘細胞癌
Keyword:
ムチン
,
有棘細胞癌
pp.1751-1754
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004888
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88歳,女性。約10年前に出現し増大する頭頂部の病変を主訴に,当科を紹介受診した。初診時,頭頂部右側に表面に潰瘍と痂皮を伴う径2cm大のクレーター状の扁平な腫瘤を認め,皮膚生検にて有棘細胞癌と診断した。画像検査では明らかな転移所見を認めなかった。6mm離して拡大切除した。病理組織所見では,好酸性の細胞質を有する腫瘍細胞が大小の胞巣を形成しながら真皮内に浸潤性に増殖し,周囲の間質には,真皮の線維芽細胞が産生するムチンを豊富に伴っていた。診断にはムチン産生を特徴とする,種々の付属器悪性腫瘍との鑑別が必要であった。また有棘細胞癌における間質のムチンの量はさまざまであり,有棘細胞癌の亜型分類には一般的に影響しないと考えられた。
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