Hutchinson徴候を伴う三叉神経第1枝領域の帯状疱疹にRamsay-Hunt症候群を合併した1例

Herpes zoster ophthalmicus accompanied by Ramsay-Hunt syndrome

30歳，女性。帝王切開後に頭痛，左眼周囲の腫脹，疼痛，小水疱が出現した。当科初診時，Hutchinson徴候，眼球結膜充血を認めたため眼科へ紹介し結膜炎合併を指摘された。以上から結膜炎を伴う三叉神経第1枝領域帯状疱疹と診断した。点滴加療で皮疹および眼病変は改善したが，初診5日後に左顔面感覚障害，6日後に左眼瞼開閉運動障害，左口角下垂が出現した。Ramsay-Hunt症候群と診断し，プレドニゾロン加療にて症状は改善した。Ramsay-Hunt症候群は，三叉神経第2枝および第3枝領域帯状疱疹の合併が多いとされ，第1枝領域帯状疱疹合併はまれであるが，さまざまな経路を経て合併し得ることに留意し，早期に鑑別にあげ加療開始することが重要であると考えた。