Japanese
English
症例
遅発性固定日光蕁麻疹の1例
Fixed solar urticaria with delayed onset
五影 志津
1
,
上津 直子
1,2
,
谷崎 英昭
1
,
岡本 祐之
1
Shizu ITSUKAGE
1
,
Naoko UETSU
1,2
,
Hideaki TANIZAKI
1
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
1関西医科大学,皮膚科学講座(主任:谷崎英昭教授)
2上津クリニック,東大阪市
キーワード:
日光蕁麻疹
,
固定日光蕁麻疹
,
遅発性固定日光蕁麻疹
,
蕁麻疹
,
光線照射テスト
Keyword:
日光蕁麻疹
,
固定日光蕁麻疹
,
遅発性固定日光蕁麻疹
,
蕁麻疹
,
光線照射テスト
pp.1663-1665
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004859
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23歳,女性。初診の2カ月前から,太陽光曝露数時間後に前腕伸側の特定の部位に瘙痒を伴う皮疹が生じ,2時間ほどで消退するようになった。日光蕁麻疹を疑い,背部に人工光源を用いた光線照射テストを行ったが,UVB,UVA,可視光線すべて陰性であった。しかし,太陽光での照射テストでは,他の露光部に皮疹は出現しなかったものの,30分の露光後2時間30分で症状の出現する前腕伸側に膨疹が誘発された。このことから,遅発性固定日光蕁麻疹と診断した。前腕部の遮光と抗ヒスタミン薬の内服治療で,その後皮疹は出現していない。固定日光蕁麻疹はまれな疾患であり,自験例で9例目である。臨床的に日光蕁麻疹が疑われ,通常の非露光部における光線照射テストが陰性の症例では,本症の可能性を念頭に置き,詳細な問診を行うことが重要である。
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