Japanese
English
症例
多発性有棘細胞癌の高齢男性例
An elder male with multiple squamous cell carcinomas
前田 学
1
Manabu MAEDA
1
1八幡病院,皮膚科,郡上市
キーワード:
多発性有棘細胞癌
,
顔面
,
耳介
,
高齢男性
Keyword:
多発性有棘細胞癌
,
顔面
,
耳介
,
高齢男性
pp.1514-1516
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004808
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
86歳,男性。2~3年前より左耳介後部に易出血性丘疹が出現し,1カ月前より有痛性となり当科を初診した。皮膚生検で有棘細胞癌と診断した。全摘施行1年後より同部に脂漏性痂皮が出現し,8カ月後再診した。同部に淡褐色隆起性小結節を認め,表面は疣贅状で中央部に亀裂,陥凹を認めた。有棘細胞癌再発のため,10mmマージンで全摘・有茎皮弁術を施行した。病理組織像で大型異型核細胞がシート状に増殖,真皮結合組織内浸潤がみられ,脈管・軟骨内浸潤はなかった。初診の2~3年前より右頰部に大豆大の角化性丘疹が出現しており,皮膚生検で日光角化症と診断した。イミキモド軟膏外用8クール施行後,丘疹は14×14×5mm大と増大し,再度皮膚生検を実施した。真皮内にN/C比の高い異型細胞が辺縁に柵状配列を伴う胞巣を形成して増殖,浸潤がみられた。部分的に異型分裂像が多数出現し,基底細胞癌と診断した。7mmマージンで全摘・有茎皮弁術を実施した。異型の強い紡錘形成分や扁平上皮様の部分など多彩で,基底細胞癌と紡錘形細胞成分を伴う有棘細胞癌と診断した。以後再発・再燃はない。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.