Japanese
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特集 細菌感染症
ケラトアカントーマ様の臨床像を呈した放線菌症の1例
Actinomycosis mimicking keratoacanthoma
榎 美咲
1
,
藤森 一希
1
,
中村 百恵
1
,
前田 龍郎
1
,
原田 和俊
1
,
西堀 由喜子
2
Misaki ENOKI
1
,
Kazuki FUJIMORI
1
,
Moe NAKMURA
1
,
Tatsuro MAEDA
1
,
Kazutoshi HARADA
1
,
Yukiko NISHIBORI
2
1東京医科大学病院,皮膚科(主任:原田和俊教授)
2新宿三井ビルクリニック,東京都新宿区
キーワード:
放線菌症
,
ケラトアカントーマ
,
腫瘍性疾患
,
口唇
Keyword:
放線菌症
,
ケラトアカントーマ
,
腫瘍性疾患
,
口唇
pp.1463-1465
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004794
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85歳,男性。初診10日前から右上口唇に8mm大の圧痛を伴う紅色結節を自覚した。結節は急激に増大した。ケラトアカントーマを疑い全摘した。病理組織学的に真皮浅層から深層にかけて密な好中球浸潤を伴う膿瘍形成,中心部に好塩基性の顆粒が集簇した菌塊とその辺縁に好酸性の棍棒状突起を認めた。菌体はperiodic acid Schiff染色,Gram染色,Grocott染色で陽性であり,放線菌症と診断した。パラフィン切片からDNAを抽出しPCRを行い,原因菌をActinomyces israeliiと同定した。顔面に結節を形成した放線菌症は腫瘍性疾患との鑑別を要した症例が多く報告されており,診断の際には放線菌症を念頭に置くべきと考えられる。
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