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特集 薬疹
エンホルツマブベドチンによると思われたStevens-Johnson症候群の1例
Stevens-Johnson syndrome thought to be caused by enfortumab vedotin
髙橋 亨太
1
,
井上 禎夫
1,2
,
神原 常仁
3
,
井川 健
1
Kyota TAKAHASHI
1
,
Sadao INOUE
1,2
,
Tsunehito KAMBARA
3
,
Ken IGAWA
1
1獨協医科大学医学部,皮膚科学講座(主任:井川 健教授)
2那須赤十字病院,皮膚科
3同,泌尿器科
キーワード:
エンホルツマブベドチン
,
Stevens-Johnson症候群
,
抗体薬物複合体
,
antibody-drug conjugate
Keyword:
エンホルツマブベドチン
,
Stevens-Johnson症候群
,
抗体薬物複合体
,
antibody-drug conjugate
pp.1315-1318
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004739
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68歳,男性。転移性膀胱癌に対しエンホルツマブベドチンを投与後5日目に両上腕内側に瘙痒感を伴う紅斑が出現した。ステロイド軟膏を外用するも改善なく,投与後7日目には顔面,両側背部,両鼠径に紅斑が拡大した。両上腕,側胸部ではNikolsky現象陽性であり,発熱,食思不振,肝逸脱酵素の上昇も出現した。単純CTで広範な浮腫があり,皮膚生検で水疱形成や表皮の壊死を認めたこととあわせ,エンホルツマブベドチンによるStevens-Johnson症候群と診断した。ステロイドの高用量投与のみで症状は改善した。同薬は約半数で皮膚障害を認め重症化の報告もある。近年国内承認された薬剤であり,臨床現場で同薬の皮膚障害が増加することが予想されるため,皮膚科医の早期介入が望ましい。
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