好中球減少症を伴ったHistiocytoid Sweet Syndromeの1例

Histiocytoid Sweet syndrome with neutropenia

78歳，女性。急性骨髄性白血病の加療中に両側顎下部に発赤，圧痛を伴う板状硬の腫脹が出現した。化学療法に伴う好中球減少症があり，軟部組織感染症疑いで抗菌薬投与が行われたが改善せず，Sweet病や皮膚白血病を鑑別に皮膚生検を施行した。真皮浅層から皮下脂肪織にかけて組織球様細胞が浸潤し，CD68染色とmyeloperoxidase染色が陽性であった。浸潤細胞に細胞異型はなく，好中球はみられなかった。Histiocytoid Sweet syndromeと診断し，プレドニゾロン内服開始後，皮疹は速やかに消退した。Histiocytoid Sweet syndromeは好中球減少下でも生じうるため，末梢血や組織中に好中球が目立たない場合でも，臨床的にSweet病を疑う場合にはその亜型として鑑別にあげる必要がある。