Myelodysplastic Syndrome患者に生じたSweet病

Sweet Disease in a Patient with Myelodysplastic Syndrome

　45歳，男性．Myelodysplastic syndrome（MDS）の経過観察中，抜歯後に発熱と歯肉の腫脹を生じた．その後，注射針の刺入部や口角部などに暗紅色の浮腫性紅斑を生じた．病理組織学的には表皮直下から真皮中層にかけての好中球を主体とする稠密な炎症性細胞浸潤を認め，Sweet病と診断した．副腎皮質ステロイド剤の全身投与にて軽快した．約半年後，発熱，歯肉腫脹とともに，口角部に単純性疱疹が生じ，次いでその病変部にSweet病様皮疹が発生してきた．本症例は，針の刺入部やヘルペスウイルス感染部にSweet病の皮疹が出現しており，本症の発症機序を考える上で興味深く思われた．