Japanese
English
症例
難治性の前胸部皮下膿瘍の所見を呈した気管支原性囊胞の1例
Bronchogenic cyst presenting as refractory precordial subcutaneous abscess
矢富 良寛
1
,
中嶋 悠里
1
,
清水 智子
1
,
中捨 克輝
1
Yoshihiro YATOMI
1
,
Yuuri NAKAJIMA
1
,
Tomoko SHIMIZU
1
,
Katsuki NAKASUTE
1
1国立病院機構埼玉病院,皮膚科(主任:中捨克輝部長)
キーワード:
気管支原性囊胞
,
粉瘤
,
前胸部皮下膿瘍
Keyword:
気管支原性囊胞
,
粉瘤
,
前胸部皮下膿瘍
pp.619-621
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004555
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6歳,女児。生後4カ月から前胸部に皮下腫瘍を自覚し,2歳時に当科を紹介受診した。初診時,前胸部に大豆大の弾性やや硬,下床と可動性一部不良な皮下腫瘍を触知し,粉瘤を疑われ経過観察するも炎症を繰り返した。切除時,超音波検査では26mm大の低エコー領域を認め,囊腫性病変に皮下膿瘍を伴う所見だった。術中所見は肉眼的には皮下から胸骨直上に至る拇指頭大の囊腫様構造を呈した。病理組織学的所見は異型の目立たない多列繊毛円柱上皮で被覆された囊胞状病変で,漿液粘液腺が付属しており平滑筋細胞が囊胞を取り囲む像がみられ,気管支原性囊胞と診断した。前胸部に幼少時から発生する皮下膿瘍はまれな鑑別であるが,気管支原性囊胞を考慮すべきである。
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