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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1999
1 最近話題の皮膚疾患
Vibrio Vulnificus感染症—Empiric therapyの重要性
Vibrio vulnificus infection:Importance of empiric therapy
小野 友道
1
,
城野 昌義
1
,
古城 八寿子
2
Tomomichi ONO
1
,
Masayoshi Johno
1
,
Yasuko KOJO
2
1熊本大学医学部皮膚科教室
2熊本中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kumamoto University Medical School
2Division of Dermatology, Kumamoto Chuo Hospital
キーワード:
Vibrio vulnificus
,
肝硬変
Keyword:
Vibrio vulnificus
,
肝硬変
pp.13-16
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902846
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Vibrio vulnificus感染症は1970年に最初に報告された.本邦では1978年以来約90例の症例が蒐集されている.そのほとんどは生の魚介類の経口摂取により感染している.悪寒戦慄,壊死性筋膜炎で発症する.敗血症性ショック,多臓器不全を招来し,その予後はきわめて不良である.V.vulnificusは海水の細菌で,海水表面温度が17℃以上になると,その増殖が顕著となる.したがって,夏の感染症である.海水温度が高い関東以西に患者発生が集中している.V.vulnificus感染症は日和見感染症である.特に肝硬変など肝障害がリスクファクターである.治療は入院当日から診断を予想し,いわゆるempiric therapy(疑診の段階で,統計的・経験的集積に基づく初期選択治療法.培養結果を待たずに抗菌薬を選択する.)を必要とする.なお医師および肝障害患者に対する啓蒙で予防可能な疾患である.
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