Japanese
English
症例
無疹部の皮膚生検で全身性アミロイドーシスと診断し得た1例
Systemic amyloidosis diagnosed by a biopsy from apparently normal skin
永野 知佳
1
,
唐川 大
1
,
山本 裕大
2
,
遠藤 幸紀
1
Chika NAGANO
1
,
Masaru KARAKAWA
1
,
Hiromasa YAMAMOTO
2
,
Koki ENDO
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院,皮膚科(主任:遠藤幸紀部長)
2同,循環器内科
キーワード:
全身性アミロイドーシス
,
無疹部
,
皮膚生検
,
DFS染色
Keyword:
全身性アミロイドーシス
,
無疹部
,
皮膚生検
,
DFS染色
pp.489-492
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004515
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86歳,女性。意識消失で救急搬送されたが,多臓器不全の状態であった。心臓超音波検査でアミロイドーシスが疑われ当科を紹介受診した。明らかな皮膚病変はなかった。腹部無疹部より皮膚生検を施行し,真皮深層の静脈壁にdirect fast scarlet染色で陽性像を呈し,偏光観察で重屈折性を認めた。骨髄でアミロイド沈着は認めず,皮膚生検が診断の一助となった。アミロイドーシスはアミロイドと総称される不溶性線維状蛋白が沈着し,さまざまな臓器障害をきたす疾患群である。生検は症状を有する臓器で行うのが一般的で,従来より胃・十二指腸,直腸生検が広く行われてきたが,皮膚生検は侵襲が少なく安全性は明らかであり,皮膚症状がない場合も積極的に取り入れるべきと考える。
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