今月の主題 デルマドローム—内科疾患と皮膚病変
感染症
慢性皮膚粘膜カンジダ症と免疫異常
村上 通敏
1
1北里大皮膚科
pp.1568-1570
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208084
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はじめに
Candida albicansを主とする病原性カンジダ属真菌による感染症は,総括して「カンジダ症」と呼称され,その病型は,近年の免疫学の進歩,各種の免疫抑制療法の繁用に伴って,きわめて多彩かつ種々の病型があげられ,発症要因からみると表11)のごとくなる.
Candida albicansは,もとより弱病原性を呈することは周知の事実であり,健康者の各種分泌・排泄物からもしばしば分離されることからも,容易に理解されるところである.したがって,カンジダ症の発症機転には,生体側の防御機構のなんらかの全身的または局所的異常が必要となり,host-parasite relationshipが本症発生にきわめて重要な役割を演じることになる.
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