Japanese
English
特集 ウイルス感染症
温痛覚低下を契機に診断された帯状疱疹性脊髄炎の1例
Herpes zoster myelitis presenting with thermal hypoalgesia
吉田 舞
1
,
帆足 俊彦
1
,
井渕 善聖
1
,
井上 由貴
1
,
魚住 知美
1
,
三神 絵理奈
1
,
沓名 章仁
2
,
船坂 陽子
1
,
佐伯 秀久
1
Mai YOSHIDA
1
,
Toshihiko HOASHI
1
,
Yoshiaki IBUCHI
1
,
Yuki INOUE
1
,
Tomomi UOZUMI
1
,
Erina MIKAMI
1
,
Akihito KUTSUNA
2
,
Yoko FUNASAKA
1
,
Hidehisa SAEKI
1
1日本医科大学付属病院,皮膚科(主任:佐伯秀久教授)
2同,神経内科
キーワード:
汎発性帯状疱疹
,
脊髄炎
,
免疫不全
,
温痛覚低下
Keyword:
汎発性帯状疱疹
,
脊髄炎
,
免疫不全
,
温痛覚低下
pp.153-156
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004400
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59歳,女性。両側乳癌の既往があった。右上肢・前胸部を主座とする汎発性帯状疱疹に対し,アシクロビル点滴静注で加療し,痂皮化は順調だったが,左半身の温痛覚低下を認めた。髄液検査を行い帯状疱疹性脊髄炎と診断した。自験例の経験より,神経症状が皮疹の分布と対側であっても脊髄炎を疑う必要性を強く認識した。また,帯状疱疹に上肢運動麻痺を合併した乳癌の既往がある症例の報告があり,担癌患者は一般集団よりも帯状疱疹の非疼痛合併症の発症率が高い。悪性腫瘍や自己免疫疾患が背景にある患者は,脊髄炎などのまれな合併症をきたし,ときに重篤な転機をたどるため,早期診断・治療を行う必要がある。
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