Japanese
English
特集 ウイルス感染症
眼瞼腫脹で初発したKaposi肉腫を契機に診断に至ったAIDSの1例
Kaposi’s sarcoma with initial manifestation of eyelid swelling leading to the diagnosis of AIDS
鯨岡 夏帆
1
,
山上 淳
1
,
松浦 功一
1
,
古賀 一郎
2
,
菊池 賢
2
,
矢端 将行
3
,
篠崎 和美
3
,
飯田 知弘
3
,
山本 智子
4
,
長嶋 洋治
4
,
石黒 直子
1
Natsuho KUJIRAOKA
1
,
Jun YAMAGAMI
1
,
Koichi MATSUURA
1
,
Ichiro KOGA
2
,
Ken KIKUCHI
2
,
Masayuki YABATA
3
,
Kazumi SHINOZAKI
3
,
Tomohiro IIDA
3
,
Tomoko YAMAMOTO
4
,
Yoji NAGASHIMA
4
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学病院,皮膚科(主任:石黒直子教授)
2同,感染症科
3同,眼科
4同,病理診断科
キーワード:
Kaposi肉腫
,
眼瞼腫脹
,
HHV-8
,
HIV
,
AIDS
Keyword:
Kaposi肉腫
,
眼瞼腫脹
,
HHV-8
,
HIV
,
AIDS
pp.157-161
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004401
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42歳,男性。初診の10カ月前より左眼瞼腫脹がみられた。初診時,左上下眼瞼全体が腫脹し,紫紅色の結節を伴っていた。躯幹と上肢にも硬い紫紅色結節が散見された。右前腕結節の生検像で,真皮内に紡錘形細胞の増殖と不規則な脈管増生がみられ,免疫染色で紡錘形細胞はHHV-8陽性を示した。末梢血中の抗HIV抗体陽性,CD4陽性リンパ球70/μl,HIV-1RNA定量4.4×105copy/mlであった。AIDS関連型Kaposi肉腫と診断した。Antiretroviral therapyを開始し,結節は平坦化した。Antiretroviral therapy開始から10カ月後の現在,皮疹の再燃はない。眼瞼腫脹を初発とする同部位のKaposi肉腫がAIDSの診断の契機となり得ることを皮膚科医は知っておく必要があると考えた。
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