Japanese
English
特集 細菌感染症
導尿カテーテルを用いての間欠的な洗浄が奏効した重症軟部組織感染症
Severe skin and soft tissue infections effectively treated with intermittent drainage using a urinary catheter
高橋 拓矢
1
,
芳賀 貴裕
1
Takuya TAKAHASHI
1
,
Takahiro HAGA
1
1気仙沼市立病院,皮膚科(主任:芳賀貴裕科長)
キーワード:
癰
,
重症軟部組織感染症
,
導尿カテーテル
,
黄色ブドウ球菌
,
糖尿病
Keyword:
癰
,
重症軟部組織感染症
,
導尿カテーテル
,
黄色ブドウ球菌
,
糖尿病
pp.1200-1204
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004053
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44歳,男性,既往にコントロール不良の糖尿病があった。1カ月前,背部に疼痛と腫脹を自覚した。38.2℃の発熱と上背部に波動を触れる,腫脹を伴った境界明瞭な紫紅色斑を認め,重症軟部組織感染症と診断した。同部の皮膚を小さく切開し24Fr導尿カテーテルを挿入し,可及的に膿汁を吸引後,生理食塩水で皮下を洗浄し,真空吸引器でドレナージした。入院のうえ,連日同様の方法で繰り返し洗浄を行い,入院24日目に退院した。今回われわれは,導尿カテーテルを用いての間欠的な洗浄が奏効し,侵襲の低い方法で治療し得た症例を経験した。この手法は,広範囲の病変であっても簡便かつ効果的にドレナージすることができ,有用な治療選択肢であると考える。
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