Japanese
English
症例
マダニ刺症疑いでミノサイクリン内服後,薬剤性肺炎を生じた1例
Drug-induced pneumonia occurring after oral administration of minocycline to a tick bite-suspected patient
木村 優香
1
,
郷田 彩
1
,
安藤 純実
1
,
調 裕次
1
,
審良 太郎
2
Yuka KIMURA
1
,
Saya GODA
1
,
Yoshimi ANDO
1
,
Hirotsugu SHIRABE
1
,
Taro AKIRA
2
1第二大阪警察病院,皮膚科(主任:調 裕次部長)
2同,免疫内科
キーワード:
マダニ
,
ミノサイクリン
,
薬剤性肺炎
Keyword:
マダニ
,
ミノサイクリン
,
薬剤性肺炎
pp.1109-1112
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004022
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72歳,男性。左頰をマダニに刺されたとの主訴で受診した。虫体は認めずマダニ刺症疑いで切除後,ミノサイクリン100mg/日を計11日間投与した。創部は瘢痕治癒し内服を中止,当科終診となった。その3日後,38.9°Cの高熱と倦怠感を認め再診,緊急入院となった。ダニ媒介感染症疑いでミノサイクリン200mgに増量し内服を開始するも発熱が続き,胸部CTにて肺炎像を認めた。その後,全身精査にて薬剤性肺炎と診断した。内服を中止し,ステロイドパルス療法で改善した。マダニなどによるダニ媒介感染症に対して,抗菌薬の安易な予防投薬は推奨されず,特にミノサイクリンは皮膚科で頻用される薬剤であるが,薬剤性肺炎など重篤な副作用もみられ注意が必要である。
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