特集 病態から考える薬物療法
第Ⅷ章 膠原病
1 エリテマトーデス
山口 由衣
1
Yukie YAMAGUCHI
1
1横浜市立大学大学院医学研究科,環境免疫病態皮膚科学
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
皮膚エリテマトーデス
,
ステロイド
,
免疫抑制薬
,
ヒドロキシクロロキン硫酸塩
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
皮膚エリテマトーデス
,
ステロイド
,
免疫抑制薬
,
ヒドロキシクロロキン硫酸塩
pp.766-773
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003264
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エリテマトーデス(lupus erythematosus,以下LE)は,全身型(systemic lupus erythematosus,以下SLE)と皮膚限局型(cutaneous lupus erythematosus,以下CLE)に大別され,CLEは局所的な皮膚の炎症であるものの,CLEからSLEへの移行症例もあり病態は類似する。SLEは,皮膚,腎臓,中枢神経系など多臓器に障害をきたす代表的な自己免疫疾患であり,その発症には,遺伝的感受性を背景に,感染,紫外線,環境要因など多因子がトリガーとして複雑に関与している。自己抗原に対する免疫寛容の破綻は,T細胞・B細胞を主とした獲得免疫の活性化を引き起こし,自己抗体産生につながる。異常に産生された免疫複合体は組織に沈着し,補体活性化,炎症性サイトカイン産生により諸臓器の障害が生じる。
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