特集 病態から考える薬物療法
第Ⅶ章 膿疱症
3 好酸球性膿疱性毛包炎
戸倉 新樹
1
Yoshiki TOKURA
1
1中東遠総合医療センター,皮膚科・皮膚腫瘍科,アレルギー疾患研究センター
キーワード:
好酸球性膿疱性毛包炎
,
タイプ2炎症
,
インドメタシン
,
PGD2
Keyword:
好酸球性膿疱性毛包炎
,
タイプ2炎症
,
インドメタシン
,
PGD2
pp.763-765
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003263
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好酸球性膿疱性毛包炎(eosinophilic pustular folliculitis,以下EPF)はOfujiら1)により,顔面を中心とする毛包一致性の多発性丘疹・膿疱が融合性局面を形成する疾患として提唱された。皮疹は典型的には毛孔一致性の瘙痒性紅色丘疹,無菌性膿疱が環状または局面状に配列し,遠心性に拡大する(図1)。中心部は鱗屑と色素沈着を残して消退する。その形状は白癬に酷似することもあり,初期病変は痤瘡と診断されることもあり,また体幹に生じると角層下膿疱症と鑑別を要する。EPFでは皮疹の浸潤がやや強いのが特徴である。好発部位は,顔面,体幹,四肢,掌蹠である。掌蹠に出現した場合は掌蹠膿疱症に類似した皮疹を呈する。掌蹠は本来毛包が存在しない部位であるため,その病態は興味深い。EPFは初期の皮膚T細胞性リンパ腫の病変であることも観察されている2)。
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