Japanese
English
症例
尿細管でのアシクロビル結晶化により急性腎障害とアシクロビル脳症を生じた帯状疱疹の2例
Two cases of herpes zoster complicated by acute renal injury due to intratubular crystal precipitation of acyclovir and acyclovir encephalopathy
坂本 旭
1
,
大石 展盟
2
,
山田 有美
2
,
平塩 秀磨
2
,
仁熊 利之
1
,
秀 道広
3
Akira SAKAMOTO
1
,
Hiroaki OISHI
2
,
Yumi YAMADA
2
,
Shuma HIRASHIO
2
,
Toshiyuki NIGUMA
1
,
Michihiro HIDE
3
1東広島医療センター,皮膚科(主任:仁熊利之部長)
2同,腎臓内科
3広島大学大学院医系科学研究科,皮膚科学
キーワード:
急性腎障害
,
尿細管障害
,
アシクロビル結晶化
,
アシクロビル脳症
,
帯状疱疹
Keyword:
急性腎障害
,
尿細管障害
,
アシクロビル結晶化
,
アシクロビル脳症
,
帯状疱疹
pp.583-587
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003216
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アシクロビル,バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス®)を投与後に腎機能障害,意識障害をきたした帯状疱疹の2例を経験した。アシクロビル脳症を疑い,血液透析を施行,腎機能障害,意識障害は改善した。透析時点での血中アシクロビル濃度は,症例1で10.2μg/ml,症例2で22.5μg/mlと高値であった。腎生検にて尿細管にアシクロビル結晶化を認め,アシクロビルの析出,結晶化が急性腎障害を引き起こし,アシクロビル脳症を発症したと考えた。アシクロビル,バラシクロビル塩酸塩投与時には年齢,摂食不良や脱水などに注意し,腎機能に応じた投与量の厳守が重要であると思われた。
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