Japanese
English
症例報告
生体腎移植患者の汎発性帯状疱疹に対してアシクロビル投与中に発症した水痘・帯状疱疹ウイルス髄膜炎の1例
A case of varicella zoster virus meningitis in a living renal transplant recipient under treatment with acyclovir for generalized herpes zoster
内川 理紗
1
,
髙宮城 冴子
1
,
松本 薫郎
1
,
伊東 可寛
1
,
川崎 洋
1
,
徳安 大輝
2
,
森田 伸也
3
,
西本 祥仁
2
,
中村 善雄
1
Risa UCHIKAWA
1
,
Saeko TAKAMIYAGI
1
,
Yukiro MATSUMOTO
1
,
Yoshihiro ITO
1
,
Hiroshi KAWASAKI
1
,
Daiki TOKUYASU
2
,
Shinya MORITA
3
,
Yoshinori NISHIMOTO
2
,
Yoshio NAKAMURA
1
1慶應義塾大学病院皮膚科
2慶應義塾大学病院神経内科
3慶應義塾大学病院泌尿器科
1Department of Dermatology, Keio University Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Neurology, Keio University Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Urology, Keio University Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
腎移植後
,
帯状疱疹
,
水痘・帯状疱疹ウイルス髄膜炎
Keyword:
腎移植後
,
帯状疱疹
,
水痘・帯状疱疹ウイルス髄膜炎
pp.1029-1034
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207458
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要約 26歳,女性.微小変化型ネフローゼ症候群を原疾患とした末期腎不全に対して10年前に生体腎移植を受けた.以後,メチルプレドニゾロン・タクロリムス・ミコフェノール酸モフェチルを内服していた.帯状疱疹を発症しアメナメビルにて加療されたが汎発化し,アシクロビルにて加療中の発症26日目に,右半身脱力と振戦が出現し,水痘・帯状疱疹ウイルス髄膜炎と診断された.経過中に腎機能が改善し血中アシクロビル濃度が下がったことで,髄膜炎を発症した可能性が高いと考えた.一方で,アシクロビル加療や免疫抑制薬の減量・中止により,腎機能の増悪をきたすリスクがあり,髄膜炎の治療と腎保護のバランスが難しい症例であった.腎移植後患者は永続的に免疫抑制下に置かれ,帯状疱疹の発症・重症化リスクが高い.腎移植後患者が帯状疱疹を発症した場合には,腎機能に応じてアシクロビルの量を調整しながら,水疱がすべて痂皮化するまで十分に加療することが重要である.
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