Japanese
English
臨床経験
放射線照射後に発症した大腿骨頭辷り症の1例
A Cace of Slipped Capital Femoral Epiphysis Following Radiation
寺田 洋
1
,
臼井 宏
1
,
中村 豊
1
,
千葉 昌宏
1
,
山路 修身
1
,
大場 良臣
2
Hiroshi Terada
1
1東海大学医学部整形外科学教室
2大場整形外科医院
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Tokai University
キーワード:
大腿骨頭辷り症
,
slipped capital femoral epiphysis
,
放射線照射
,
radiation
Keyword:
大腿骨頭辷り症
,
slipped capital femoral epiphysis
,
放射線照射
,
radiation
pp.775-778
発行日 1987年6月25日
Published Date 1987/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907651
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抄録:放射線照射が原因で発症したと思われる大腿骨頭辷り症の1例を経験したので報告する.症例は12歳男児,右股関節痛及び跛行を訴え来院した.生後7ヵ月時に右停留睾丸のEmbryonal Carcinomaにて摘出術を受け,術後再発予防目的で,腰椎および両股関節を含む骨盤部に3,000rad.のライナック照射を受けている.右股関節に圧痛及び屈曲,内旋制限を認め,Drehmann's signが陽性であった.X線より右大腿骨頭辷り症と診断,Southwickの転子下骨切り術を施行した.放射線照射による大腿骨頭辷り症の報告は少なく,本邦では5例の報告を見るのみである.報告例に見られる特徴より,放射線照射後に発症する辷り症は,放射線照射による骨端軟骨の遺残性障害に,思春期前期の成長による負荷の増加や,ホルモンの変動などの因子が加わり発症すると推察される.
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